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【亞】さんの易経新シリーズが完結

易経新シリーズとして連載されていた、易経に学ぶ企業倫理と危機管理が完結しました。ちょうど、ライブドア事件と平行して連載が進むようなかんじだったので、最初は企業の危機管理という点から興味深く読んでいましたが、最後のほうは、「自分は大丈夫だろうか」と考えながら読むようになっていました。

ライブドア事件で一番違和感があるのは、俄か道徳論がはびこっていることです。
ルール違反の側面について「それはルール違反だ」と批判するのは構いません。
「ぎりぎりルール違反じゃないかもしれないけど、ずるいんじゃないの」というのも批判されてしかるべきでしょう(フジテレビ買収騒動の折は、私はライブドアのやり方について「ずるい」と書きました)。最近は風向きが変わってきているとはいえ、もともと、社会のルールというのは(特に日本の場合)「大人の良識」を前提につくられているものが多いのですから。

でも、それと「汗水たらして稼ぐべきだ」ということとは問題が違います。

私はモノ作りに携わっている人間なので、「汗水たらして稼ぐ」という倫理観はキライではありません。どちらかというとそういう「地に足のついた」系の倫理観はかなり好きです。ただ、そういう倫理観や主義主張というものは、自らを律するために自分の内面に向けていくものではないかと思うのです。それを正義の味方になって振りかざしてしまったとたんに、せっかく持っていた倫理観、道徳観は単なる方便になってしまう、そんな気がします。
自分の中に内在する危うさ、人であれば誰でも持っている弱さを思うと、とても大上段に振りかぶって他人を断罪することはできない-易経に学ぶ企業倫理と危機管理を読みながら、そんなことを思いました。

しつこいようですが、お勧めです。
(めざせ、ロングセラー)

リーダーの易経―時の変化の道理を学ぶ

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Comments

亞さん、コメントありがとうございます。
他人の「自己批判力」は良く見通すことができますが、自分自身の「自己批判力」を客観的に把握するというのは難しいですね。
自分を見るもう一人の自分を常に意識するようにしなければ、と思います。

Posted by: NERO | February 09, 2006 at 10:26 PM

わ、わ!
またもやご紹介を・・・
ありがとうございます!!

>ちょうど、ライブドア事件と平行して
>連載が進むようなかんじだったので

そういえば、書いている最中に始まりましたね。

>自分の中に内在する危うさ、人であれば誰でも持っている弱さを思うと、
>とても大上段に振りかぶって他人を断罪することはできない


はい、そのとおりですね。

「 私たちは 知性を計量するとき、
 その人が 自分の知っていることを
 どれくらい疑っているか、
 自分の見たものを どれくらい信じていないか、
 自分の善意に紛れ込んでいる欲望を
 どれくらい意識化できるか、を基準にして判断する。

 私たちは 知性を検証する場合に、
 ふつう「自己批判能力」を基準にする。
 自分の無知、偏見、イデオロギー性、邪悪さ、
 そういったものを
 勘定に入れて ものを考えることが
 できているかどうかを 物差しにして、
 私たちは 他人の知性を計量する。」

       内田 樹「ためらいの倫理学」より

Posted by: | February 09, 2006 at 12:55 AM

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